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事業仕分けとその課題

 

「 行政刷新会議(議長・鳩山首相)の「事業仕分け」は17日、前半5日間の日程を終え、官僚OBの天下り

法人への支出を容赦なくカットするなど、税金の無駄遣いに大胆に切り込んだ。

 

 ただ、科学技術や教育、福祉分野などで、経済効率性を重視した判定結果に違和感を抱く声も上がり、対象事業の

選定や判断基準に課題を残した。

 

 ◆アピール◆

 「3億円も、どういう事務にかかるのか。どうしても理解できない」

 高齢者の在宅福祉事業などへ助成している厚生労働省所管の独立行政法人福祉医療機構。仕分け人は17日、

3億円の人件費に「相当な無駄がある」と批判した。同機構や取引先の公益法人は同省の天下り先だとして、

2787億円の基金全額を国へ返納するよう求めた。

 

 5日間の作業では、天下り法人にかかわる事業の多くが「廃止」と判定された。「天下りは何人?」「効果は?」……。

矢継ぎ早に質問を浴びせかける 仕分け人が、説明に窮する官僚を圧倒し、次々と「廃止」の判定を下していく様子は、

インターネットで生中継され、国民から一定の支持を得た。自民党の谷川 秀善参院幹事長は17日の記者会見で「国民から

見て新鮮で面白い。なんで自民党の時にああいうことをしなかったのか」と悔しがった。

 

 ◆限界◆

 一方、「事業仕分け」の限界も見えてきた。

 17日の第3グループ。財務省の主計官が宇宙航空研究開発機構の人工衛星打ち上げについて「水星探査が国民に利益を

もたらすのか」と述べると、仕分け人で科学者の松井孝典・東大名誉教授は「人類共通の利益になる」と反論した。

 

 山井和則厚労政務官はニートへの支援対策「若者自立塾」が廃止と判定されたことに憤慨し、16日も「生活保護対策

などを費用対効果で議論する点に違和感を感じる」と不満を語った。」

 

 判定基準があいまいだとの指摘も出ている。厚労省の「年金に関する広報等に必要な経費」は17日、9人の仕分け人の

うち3人が「廃止」、6人が 「予算削減」と判定したが、取りまとめ役の尾立源幸参院議員は「廃止」と決定。驚いた

社会保険庁の職員が質問しようとすると「結果についての質問は受け付けない」と打ち切った。17日の第3グループでは、

日本原子力研究開発機構が実施する高速増殖炉「もんじゅ」の研究開発などが取り上げられたが、「エネルギー政策全体の

位置づけは経済産業省にある」という議論になり、「事業の見直し」と判定したものの「結論を出すのは困難」とされた。

仕分けチーム統括役の 枝野幸男・民主党元政調会長も「(事業仕分けの対象としては)失敗かと思う」と語っており、

対象選定にも課題が残ったようだ。(2009年11月18日01時59分  読売新聞)

 

 

民主党に政権になってから、私には政治が大変面白くなってきました。

 

今までは、政策決定が一般有権者とかけ離れており、どうせ何を言っても変わらないと、諦めていた政治が、少しずつですが、

変わってきた気がしてきました。

 

一方、残念ながら、私としましては、民主党が手がけている政策・施策のすべてがすべて良いとは思えないことも事実です。

 

しかしながら、政治が、長年どこか庶民の生活にかけ離れていた場所から、一気に身近に感じられる場所になってきたように、

私には感じられることが多くなって来ました。

 

そこで、これからは最近話題になっている民主党の政策を取り上げてディベート的に深く分析していきたいと思います。

 

 

 

民主党の政策分析の第1回として取り上げるのが、事業仕分けです。

 

今回は、まず「事業仕分けとは何か」を取り上げたいと思います。

 

 

その1:事業仕分けとは何か(前編)

 

「事業仕分け」については、様々なメディアで取り上げられているので、読者の皆様もご存知のことと思います。

 

この「事業仕分け」をディベート的に取り扱うと、第一に考えなければいけないポイントは、何でしょうか?

 

そうです、定義ですね。

 

「事業仕分け」というと、賛成・反対の両陣営から、激論を生んでいる手法ですが、こうした各論に入る前に、基本を押える

ことが大切であることは、ディベートに関心をもたれている読者の皆様には、もう理解されていることと思います。

 

 

「事業仕分け」とは、民主党が政権を取ってから急に脚光を浴びた手法なので、民主党が発案者と考えがちですが、

実は2002年から「構想日本」という非営利独立・政策シンクタンクが手がけてきた手法なのです。

 

 

つまり、「事業仕分け」を理解するには、始めに、「構想日本」を知る必要があります。

 

 

構想日本とは:

「民」の立場から政策をつくり世の中を変えていこう、という思いから、現在、構想日本の代表を務める 加藤秀樹

(1973年大蔵省入省。証券局、主税局、国際金融局等に勤務)が職を辞し、 思いを共有する仲間とともに1997年4月、設立。

 

日本における非営利独立・政策シンクタンクの先駆者として、裁量行政に歯止めをかける 省庁設置法改正の法案を

皮切りに、国と自治体へのバランスシート導入、道路公団民営化、 年金制度改革、公益法人制度、教育行政、行政の

「事業仕分け」等、多くの提言を実現。

(構想日本ウェブサイトより)

 

 

 

次に、「構想日本」のウェブサイトから「事業仕分け」の定義を見てみましょう。

 

 

「事業仕分け」とは何か:

2002年に始めた行政の事業仕分け。最近は歳出削減の切り札のように言われることが多くありますが、当初は行政改革を

目的としてスタートしました。

 

行革が進まない原因は、「前例踏襲主義」の行政と「あれもこれも」の政治家の姿勢もさることながら、議論が主に

役所からのヒヤリングに基づいて行われるため、もともと官僚(行政職員)が立案した事業の趣旨、目的などの説明を

聞いている限り、具体的な反論をするのは困難だからです。

 

これに切り込んでいくには個々の事業ごとに、現場の声や実情に基づいて事業の必要性や本来あるべき姿を再考する

しかない。それを具体化したのが事業仕分けです。

 

構想日本が定義する事業仕分けは以下の5点 。

国や自治体が行なっている事業を、

・ 予算項目ごとに、

・ 「そもそも」必要かどうか、必要ならばどこがやるか(官か民か、国か地方か)について、

・ 外部の視点で、

・ 公開の場において、

・ 担当職員と議論して最終的に「不要」「民間」「国」「都道府県」「市町村」などに仕分けていく作業。

 

仕分け作業で出た結果はあくまで参考材料であり、拘束力はありません。最終的にその材料をどう料理するかは、首長、

議会の責任だと考えるからです。ただ し、議論の中で出てきた論点についての再考や、結果がその後の庁内議論を経て

どのように対応されたかを、公表することを義務付けています。

 

2002年2月に岐阜県からスタートした自治体の事業仕分け。2009年11月23日現在、43の自治体(合計60回)で実施しています。

(構想日本ウェブサイトより)

 

 

さらに、この「事業仕分け」には、「国と地方」の構造的問題を変えていく目的もあるとしています。

 

 

「国と地方」の構造的問題:

国が地方への「仕事(関与・規制などのコントロール)」と「お金(補助金、地方交付税)」を付与する。この構造では、

コントロールに従えば、お金(借金を含む)の面倒を見てもらえるが、ユニークなことをしようとすると、お金が来ない

ことになるので、地方は国に「依存(=自分の頭で考えない)」を深めることになり、国の「支配」がさらに強くなっていく。

結果として、地域では活力がダウンして、地方は、国にますます「依存」せざるをえなくなる。(構想日本ウェブサイトから要約)

 

 

こうした民と官、地方と国の役割分担を具体的に考える場として、構想日本は「事業仕分け」作業を実施しているとしています。

 

 

次回は「事業仕分けとは何か(後編)」として、「事業仕分け」の主なルール、「事業仕分け」作業の流れ、実績、成果を

見てみたいと思います。

 

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読者 大学院修士課程 O様からの感想です。

 

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